10月8日、米サウスカロライナ州コレトン郡ウォーターボロにあるコンビニエンスストア「Forks Pit Stop(フォークス・ピット・ストップ)」で食べ物を購入し店内で食事をしようとしたカービー・エヴァンズさんは、ひとりの女性から心無い言葉を浴びせられた。
以前にもこの店に何度か食事に来ていたカービーさんは、この日もドーナツと飲み物を購入。店内のテーブル席に座ろうとした直前、店主とみられる女性にシャツを強く引っ張られて事務所に連れて行かれ、「店で食べる気なら、顔を隠して!!」と言われたのである。カービーさんはその言葉に激しいショックを受けた。
皮膚がんだったカービーさんは、がんを克服したものの後遺症で左目と鼻を失ってしまった。これまでよく来店していたその店や、他の場所でもこのような酷い対応は受けたことがなく、カービーさんはそのまま店を出て家に帰り、涙ながらに娘のブランディさんに出来事を話した。翌日、ブランディさんはFacebookで「Forks Pit Stop」の女性店主ドナ・クロスビーさんがカービーさんに取った対応を綴り、このように非難した。
「父ががんを患い、結果としてこのような姿になったのは仕方のないことです。経済的余裕がないために再建手術を受けることができないでいますが、見た目で差別を受け、本来はとても強い父がこんなふうに涙をこぼす姿を見るのはとても心が痛むものです。父は顔の傷を『隠せ』と言われましたが、傷がこすれてしまうといけないので目にアイパッチをして隠すこともできないし、鼻もそのままにして何も触れないようにさせておくのが一番なのです。ドナ・クロスビーさん、父はあなたの店にはもう二度と行くことはありません。がんを克服した人をこのように差別するあなた自身が、この先がんにならないようにせいぜい祈りを捧げておくことね。」
この投稿は数日間でおよそ8,000人以上がシェアするところとなり、多くのユーザーがカービーさんへの励ましのメッセージを寄せた。また同時に女店主へ非難の声があがると、本人からはこのような返信があったという。
「あなたのお父さんに、店に来るなとは言っていない。『顔を隠してほしい』と言ったが、彼を傷つける意図などなかった。あなたも店の経営者になれば理解できると思うけど、他の客が逃げてしまわないように、時には好む好まざるに関わらずこのような対応をしなければならないの。仕方のないことだったのよ!!」
この反論後、女性店主はFacebookアカウントを削除したようだ。非難が相次ぐ「Forks Pit Stop」スタッフの1人ブランディ・ハーレイさんは、この件が原因で仕事を辞め「こんな店でもう働きたくない。うんざりよ」と話している。
今回の出来事に心から傷ついたと言うカービーさんだが、Facebookでシェアされて以来、多くの地域住民らがカービーさんを探し、一緒にコーヒーを飲もうと誘い、自撮りを楽しんだりとサポートを示してくれているようだ。今では「Dairy-Land(デイリー・ランド)」という別の店を馴染みにしているカービーさんは、「こんなに自分をサポートしてくれる人がいるなんて思ってもいなかった。でも、心優しい人たちは確かに存在するんだね」と声を詰まらせた。
なお「Forks Pit Stop」スタッフによると、今回の件以降ドナさんは店に出ておらず、ドナさんの夫はメディアの取材に対し「妻はとても動揺していて話せる状態ではない」と答えている。また現在、娘のブランディさんが設置したクラウンドファンディングサイト『GoFundMe』のアカウントには、カービーさんの顔の再建手術のためにと多くの人々からの寄付が集まっている。
・South Carolina Cancer Survivor Who Lost Eye, Nose Told to Cover His Face While Eating at Convenience Store
https://www.insideedition.com/south-carolina-cancer-survivor-who-lost-eye-nose-told-cover-his-face-while-eating-convenience-store
https://sokuhou.matomenow.com/wp-content/uploads/2018/10/101218-disfigured-1280×720.jpg
2018.10.15 14:15 テックインサイト
http://japan.techinsight.jp/2018/10/ellis05101013.html