愛車にかけられた謎の液体。
住宅街の駐車場で、車体の塗装がはがされる被害が相次いでいる。
現場は静かな住宅街だが、車4台に塗料のようなものがかけられ、塗装がはがされてしまっていた。
塗装が、ボロボロにはがれた車のボンネット。フロントガラスには、液体が垂れた跡もあった。
屋根の塗装も、無残な状態に。
事件が起きたのは、さいたま市の住宅街にある駐車場。
15日朝、止めてあった車の塗装がはげていることに近所の住民が気づき、持ち主の女性に知らせたという。
被害者は、「去年の8月に買ったばかりなので、悔しいのと悲しいので、泣きたい感じ」と話した。
車にかけられたのは、「剥離剤」とみられる液体。
隣接する住宅の駐車場でも、ほかにも3台の車が同様の被害に遭い、塗装がボロボロになった。
被害者は、「警察がプラスチックのピンセットで、物質を検査するのに取ったら、ピンセットが溶けたみたい」と話した。
本来は、車の塗り直しなどの際に使われる剥離剤。どれほど強力なものなのか、都内の業者に見せてもらった。
車体に塗られたのは、業務用の剥離剤。
松中鈑金・松中伸介社長
「手についた場合は?)間違いなく、手の皮はめくれる」
「(プツプツなり始めている)溶解している」
剥離剤を塗ってから、およそ4分後。剥離剤の浸透とともに、浮き上がる塗装面。
見る見るうちにはげていくのがわかる。今回、被害に遭った車を見てもらうと…。
松中鈑金・松中伸介社長
「たぶん剥離剤」、「はけではなく、ボトルみたいなものでまいた感じ」
業務用に売られることが多い剥離剤だが、ホームセンターなどでも簡単に手に入るという。
これまでにも、剥離剤を使った事件は、たびたび起きた。
フジテレビが入手した防犯カメラ映像。
2017年3月、大阪・堺市の駐車場で起きた事件の一部始終。
午前2時半、駐車場に現れた人物が、止めてある車に液体をかけ始めた。
この液体が、剥離剤。
この犯行により、車の塗装ははがれ、ボロボロに。
今回、さいたま市内で起きた事件。犯人は、いったい何者なのか。
被害者は「(思い当たる部分は?)まったくない」、「愉快犯なのか。毎晩不安で、玄関の電気も消せない」などと語った。
2018年8月には、今回の現場の向かいの住宅でも、車に傷をつけられる被害が。
警察は、器物損壊事件として捜査を進めている。