求人広告会社は「ビ・ハイア」(東京)。訴状によると、女性と元同僚の計3人は2006〜14年に入社し、同社や関連会社との業務委託契約を結んだ。しかし、社長の指揮命令を受け、実質的には雇用関係のある従業員として働き続けていたという。
社長は、3人にブランド品のカバンや靴などを買い与え、その費用を会社から社長への貸付金という形で計上した。その自分への債務について、16年ごろから3人のうち2人を保証人にして返済を求めるようになった。
さらに社長は、原告の1人が賃金の情報を知人に伝えたことを「守秘義務違反だ」などと主張し、数千万円の損害賠償も求めるようになった。社長はやがて賃金の天引きなどを始め、3人にはほとんど賃金が支払われなくなったという。
3人の生活費が尽き、家賃を払えなくなると、会社事務所に住まわせ、その家賃も請求するようになった。社長は3人に「生きているだけで迷惑」「殺すと問題があるので、交通事故にあって死んでもらいたい」などと、大声で罵倒するパワハラを繰り返したという。
会社事務所で深夜も働いていることを確認するためにLINEで数分ごとに報告させたり、建物に取り付けたカメラや携帯電話のGPSで行動を監視したりもした。会社事務所での生活は、風呂もなく、寝るときは床にタオルをひく程度だったという。
今年2月、女性が「私は死んだほうがましですか?」という趣旨の発言をしたところ、社長は激怒。女性の目の前で使っていたパソコンを破壊し、「(死んだら)ゴミが増えるだけだ」などと暴言を繰り返した。その日の午後、女性は自殺したという。
原告らは、賃金の天引きは違法で、社長の一連の言動や行為は、原告の人格権などを侵害したパワハラにあたると主張している。
同社は「本日中にコメントしたい」としている。
2018年10月17日17時43分
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLBK46HZLBKULFA00P.html
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