栃木県警が、夜間運転でのヘッドライトの上向き使用(ハイビーム)についてドライバーに行った意識調査で、「原則ハイビーム使用」を「知っている」との回答が7割を超えたにもかかわらず、実際に行っている人が5割あまりにとどまっていることがわかった。実践しない理由では「まぶしくて他の車に迷惑をかけるから」との回答が多かった。道交法では、他の車に影響しないよう、こまめにロービームなどに切り替えるとされているが、県警は「多くのドライバーが『常時』ハイビームと誤解している」とみて、さらに広報活動を進めることにしている。
調査は、県警交通企画課が今年8月、運転免許を更新したドライバーを対象に実施。男性578人、女性422人の計1000人から回答を得た。県警の広報活動「ハイビーム大作戦」が昨年4月にスタートしてから1年半となるのに合わせ、発表した。
調査の結果、夜間の自動車運転時は「原則ハイビーム使用」とされていることを「知っている」とした人は76・2%に上った。一方、「夜間にハイビームで走行している」人は54・1%にとどまり、40%は「あまり、もしくはほとんど実践していない」とした。実践していない人に理由を問うと、56・3%の人が「まぶしさで迷惑をかける」ことを理由に挙げた。
結果について、県警の福原泉・交通部長は「『原則ハイビーム』がおおむね周知されていることは良いこと」としながらも、「『常時ハイビーム』と誤って認識している人が多い」と指摘。「ハイビームとロービームをこまめに切り替える必要性を、粘り強く訴えていきたい」としている。
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県警はドライバーへの意識調査と並行して、今年9月末から10月上旬に県内の国道や県道8か所で、夜間にハイビームで走行している車の台数を調査した。
同様の調査は、昨年4月の「ハイビーム大作戦」開始時から半年ごとに実施しており、今回で4回目。
調査の結果、先行車も対向車もない状態で走行した車1129台のうち、ハイビームを使用していたのは116台。ハイビーム使用率は10・3%で、今年4月の前回調査(7・9%)から2・4ポイント上昇し、過去4回の調査で最も高かった。特に、県道氏家・宇都宮線(通称・白沢街道)では、昨年4月の調査では0%だったが、今回は11・0%まで上昇した。
県警交通企画課の星野健一次長は「『原則ハイビーム』について、一定の周知効果が表れている」とする一方、「実際にハイビームを使用してもらうまで、まだまだ隔たりがある。正しくハイビームを使用してもらうことで交通事故防止につながることを、引き続き呼びかけていきたい」と話している。
2018年10月20日 10時00分
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