→上海総合指数は高値から30%下落−景気の先行き悪化や元安足かせ
→落ちてくるナイフはつかむなとの格言、恐らくその通り−ギンベル氏
中国本土株のバブル崩壊から3年。投資家は再び大きな値下がりに動揺している。
中国株の下げは世界で最も大きくなっており、時価総額は今年1月から3兆ドル(約336兆円)余り減少。
フランス株式市場の時価総額を上回る規模となっている。
民間企業が流動性懸念に直面しているほか、対米貿易摩擦の激化で景気の先行きも悪化、人民元の下落が資本流出を促しつつある。
本土株の指標、上海総合指数は年初来高値から30%値下がり。水準としては2015年の株高局面から下げに転じ始めた時点からほぼ半分になった。
運用資産が500億ドル余りに上るCIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、ドン・ギンベル氏は
「相場反転の時期はかなり近いはずだが、正確な時期は誰にも分からない」と指摘。
「私のポートフォリオのパフォーマンスも急落による著しい影響を受けており、落ち着かない状況だ。私は長い間この業界に関わっており、
顧客には『良い結果を出すには乗り越えなければならない時期だ』と伝えている」と話す。
上海株は18日、14年11月以来の安値を付けた。マージンコールを巡る懸念が広がる中で、中国のテクノロジー銘柄が集まる深圳株も軟調。
オフショアに上場する銘柄も例外ではなく、テンセント・ホールディングス(騰訊)やアリババ・グループ・ホールディングなど主要テクノロジー企業も
上場先の香港やニューヨーク市場で売られている。
今回の中国株の下げがいかに大きく、激しいかを以下のチャートで示す。
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ブルームバーグがカバー対象とする94の株価指数のうち、ギリシャやアルゼンチンを含めても上海総合指数の直近高値からの下げは最も大きい。
香港ハンセン指数も23%安と大きく下げている。オーバーナイトで中国株の先物が下げており、19日も軟調となる可能性を示唆している。
上海総合指数のボラティリティーも大きくなっている。
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売り圧力が強まっている。上海総合指数を構成する約1500銘柄の60%前後で、相対力指数(RSI)が17日に30を下回った。
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先週、上海総合指数の構成銘柄のうち3分の2が52週安値を付けた。11年以降では最大の割合となっている。
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プラス材料もある。売買は引き続き低調でパニックには至っていないことを示唆している。
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CIBCのギンベル氏は「ウォール街では落ちてくるナイフはつかむなという格言がある。恐らくその通りだ。ヒーローになろうとなぜするのか」と述べた。