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(C)Ollyy / Shutterstock
10月27日放送の日本テレビ系ドラマ『ドロ刑−警視庁捜査三課−』第3話に、アニメ『名探偵コナン』(同系)の毛利小五郎役で知られる声優・小山力也がゲスト出演した。
ジャニーズ『Sexy Zone』中島健人主演の同ドラマは、『週刊ヤングジャンプ』で連載されている漫画の実写化作品。中島演じる新米刑事と遠藤憲一演じる伝説の大泥棒が相棒関係となり、刑事が泥棒に育てられるという新感覚のエンターテインメントドラマだ。
小山が演じたのは、金塊強奪事件を起こした犯罪集団のボス役。劇団出身だけあって表情の作り方は自然なものの、小五郎そのままの声と“アニメ演技”は実写ドラマにはどこかなじんでいなかった。
しかしドラマを見たアニメファンは「大好きな声優、小山力也さんが出てる!」「俳優として出るなんてうれし過ぎます」「ドロ刑の小山力也さんめっちゃイケメン&イケボだった〜」などと大熱狂。一方で彼らの多くは、“タレントの声優挑戦”という逆の現象が起きたとき、ほぼ必ず拒否反応を示すのだから厄介だ。
■ ポジショントークでしかないファンの主張
アニメへの“タレント起用反対派”から聞こえてくるのは、「門外漢が声優をするな」「声優の仕事を奪うな」といった主張。確かに、タレントのアフレコは不慣れであるため、ぎこちないことがあるが、過去を振り返ると“ハマった”作品も数多く存在している。
「これまで公開された3作全てが大ヒットしている映画『トイ・ストーリー』シリーズには、唐沢寿明と所ジョージなどが出演。声優特有の金切り声やくどい演技をしなかったことが成功だったと言えますね。ジブリ作品もメインキャストに本業の声優を起用しないで、大ヒット作品を量産。中には『風立ちぬ』の庵野秀明のような失敗例があるものの、『もののけ姫』では、美輪明宏の犬神のモロの君役に誰もが圧倒されたはずです。他にも『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(テレビ東京系)の風間俊介、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(フジテレビ系)のラサール石井、『プーと大人になった僕』の堺雅人など、タレントや俳優が名演技を見せた例はいくらでもありますよ」(アニメ誌ライター)
また、「声優の仕事を奪うな」という批判も説得力を持たない。現在の声優は舞台、歌手、グラビアなど活動が多方面化しており、役者、歌手、アイドルといった他業種の仕事を奪っている状態。特に、グループアイドルにパイを奪われているグラビアアイドルにとっては、声優のグラビア進出は“侵略行為”に他ならないだろう。
テレビ東京の『おはスタ』ではMCを声優が務めているが、これもそもそも「本業」からは逸脱するはず。結局、声優ファンやアニメファンが上げている反対意見は、二枚舌のポジショントークにすぎないようだ。