メジャーでも前代未聞だ。打者として22本塁打、投手として10試合に登板して4勝(2敗)をマークした大谷が、1947年に始まった米国で最も権威がある全米野球記者協会選出の新人王に輝いた。
大谷はベースボール・アメリカ紙、ベースボール・ダイジェスト誌、USAトゥデー紙でも新人王に選ばれたが、スポーティングニューズ紙だけは27本塁打、92打点をマークしたヤンキースでのM・アンドゥハー内野手(23)を選出していた。
各フランチャイズ2人ずつ計30人の記者投票中、1位票を25票獲得。5票しかなかったアンドゥハーを圧倒。合計ポイントでも137票を獲得。アンドゥハーの89ポイントを大きく引き離し、日本人4人目の快挙を成し遂げた。
マイナー契約の招待選手として参加したオープン戦は、2試合に登板も2回2/3で9失点。打っても32打数4安打で長打は0、打点もわずか1と振るわなかった。それでも、エンゼルスは素質を高く評価。3月28日にメジャー契約を結んだ。
ステップせず、すり足にしたフォームで迎えた開幕のアスレチックス戦。初打席初安打を右前に運んだ。初登板となった4月1日の同じカードでは6回を3安打3失点にまとめ、初勝利をマークした。
本拠開幕戦の4月3日インディアンス戦からは驚異の3試合連続ホームラン。8日のアスレチックス戦では7回を投げ、1安打12奪三振で2勝目を挙げて一気に全米の注目を集めた。
4月2日から8日までの週間MVPを受賞すると、4月の月間最優秀新人にも選出された。しかし、6月6日ロイヤルズ戦で右肘を痛め、8日から故障者リスト入り。PRP注射の治療を受けて登板を回避していたが、7月3日以降はDHや代打として復帰した。9月には再び3試合連続本塁打を放つなど、2度目の月間最優秀新人に選出。03年の松井秀喜外野手(ヤンキース)が記録した16本の日本人選手1年目の本塁打数を22本まで大きく塗り替えたのが、新人王受賞の決め手になった。
3か月ぶりの復帰登板で再び肘を痛め、最終的にトミー・ジョン手術を決断。シーズン終了直後に手術を受けたが、二刀流としての活躍でメジャーの歴史に大きな1ページを飾ったことは間違いない。
◆大谷 翔平(おおたに・しょうへい)1994年7月5日、岩手・水沢市(現奥州市)生まれ。花巻東高出身。メジャー希望も2012年ドラフト1位で指名された日本ハムに入団。14年、プロ野球史上初の同一シーズンでの2ケタ本塁打と2ケタ勝利を達成。16年にも10勝、22本塁打をマークしてパ・リーグ優勝と日本一に貢献。リーグMVP、史上初めてベストナインの投手とDHの両部門を同時受賞。同年CSのソフトバンク戦でプロ野球最速の165キロをマーク。昨年12月、ポスティングシステムでエンゼルス入り。193センチ、91キロ。右投左打。
11/13(火) 9:10
スポーツ報知
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