キャプテンの吉田は「今までがあまりに低かった」と世界における日本の課題を口にし、コンビを組んだ二人を称賛した。
「ウルグアイ戦のメンバーがベース」
ベネズエラ戦の前日会見でこう明言した森保監督は、ウルグアイ戦から3人の選手を入れ替え、佐々木翔(サンフレッチェ広島)、冨安、シュミットの起用を決断。いずれも守備の選手だが、とりわけ目を引いたのが冨安とシュミットだった。
5日に20歳になったばかりの冨安は、10月のパナマ戦(3-0)で1993年以降ではわずか二人しかいなかった10代のDFとしてA代表デビュー。初めて吉田とコンビを組んだベネズエラ戦でも、身長188センチの恵まれた体格と駆け引きを駆使して相手の攻撃を封じ込め、前半11分には失点の危機をライン上ギリギリで防ぐスーパークリアも披露した。
一方、シュミットは新体制4試合目で初起用され、待望のA代表デビュー。初めての公式戦、さらに渋滞に巻き込まれて会場入りが遅れるアクシデントに見舞われたなか、身長197センチと森保ジャパン最長身のサイズを生かしたダイナミックかつ冷静なプレーで、PKの1失点だけにとどめた。ベネズエラのハイクロスをキャッチで防ぐシーンも何度か見受けられ、本人も「1本目のCKで飛び出せて、相手も嫌がっていた。そこで自分の特長を出せたのは良かった」と手応えを口にしている。
「世界では突出しているわけではない。今までがあまりに低かった」
1-1の引き分けに終わったとはいえ、シュミットと冨安に、身長189センチの吉田を加えたトライアングルはインパクトを残した。世界屈指と言われるイングランドのプレミアリーグで日々熾烈な争いに身を投じている吉田は、形成した“トリプルタワー”について問われると、「やっと普通くらいになった」と率直な感想を述べた。
「(今日の3人の高さは)世界では突出しているわけではない。今までがあまりに低かったというわけであって、まだまだセットプレーで低さは感じる。もっと大きくて体が動ける選手が出てこないと。高さは育てられない」
例えば、ロシア・ワールドカップ(W杯)を制したフランスは、GKウーゴ・ロリス(トットナム/188センチ)、DFがサミュエル・ウムティティ(バルセロナ/182センチ)とラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード/191センチ)で3人の平均身長は187センチ。準優勝国のクロアチアはGKダニエル・スバシッチ(ASモナコ/191センチ)、DFがデヤン・ロブレン(リバプール/188センチ)とドマゴイ・ヴィダ(ベジクタシュ/184センチ)で平均身長187.7センチ。日本を破ったベルギーに至っては、GKティボー・クルトワ(レアル/199センチ)、3バックがヤン・フェルトンゲン(トットナム/189センチ)、ヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・シティ/193センチ)、トビー・アルデルヴァイレルト(トットナム/187センチ)で平均身長192センチと日本を上回る高い数値となっている。
吉田はキャプテン、そしてディフェンスリーダーらしく、シュミットと冨安の評価と可能性についてもそれぞれ言及している。
「ダン(シュミットの愛称)は高さに自信を持っていて、ハイボールも出てきてくれる。国歌斉唱で肩を組む時に相当デカいなと(笑)。足もと(の技術)もあるので(森保)監督のサッカーに合うんじゃないかと思う。CBで言えば僕の高さ(189センチ)が最低限。ここから5年、10年と経てば(世界的にも)もっと高さを求められるようになる。そういう意味では、トミ(冨安)は次世代として可能性のある選手。生まれもった能力的にも恵まれている」
これまでは吉田の高さ頼みの面もあったなか、来年1月のアジアカップ、そして2022年のカタールW杯に向けて、“トリプルタワー”が定着していくのか。森保ジャパンの見どころの一つになりそうだ。
11/17(土) 11:40配信
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