大阪府は東京都に次ぐ梅毒の流行地で、今月11日までの府の集計によると感染者数は1028人。1999年に現在の集計法になって以降、最多となった。
梅毒は個別の感染経路の追跡が難しく、流行の原因は断定できていない。全国的な傾向では、感染者の男女比は2対1で、男性は20〜50歳代にまんべんなくいる一方、女性は半数が20歳代に集中している。
2012年以前は感染者の大半が男性で、女性は珍しかった。近年は、性風俗店の利用者や女性従業員の感染のほか、主婦やOLにも広がっているとみられる。
大阪府以外の近畿では、11日までの集計で兵庫県222人、京都府95人、奈良県43人、和歌山県26人、滋賀県16人で、滋賀以外は昨年1年間の数を超えた。
府内の感染者の7割を占める大阪市は、若者の間での広がりに危機感を強める。2日には、市の担当者が大阪市立大の大学祭に参加してクイズ形式で啓発した。「府内ではHIV(エイズウイルス)とセットで検査が無料になるので、公的検査の活用を」と話す。
大阪健康安全基盤研究所の小林和夫・公衆衛生部長は「不特定多数の相手との性的接触を避けるべきだ。一定の予防効果のあるコンドームの着用を心がけてほしい」と話す。
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【梅毒】 細菌による性感染症。感染3か月以降は背中や腕に発疹が出ることもある。感染後しばらくすると症状が消えるため、治療せずに感染を広げるケースが目立つ。妊婦に感染すると、子どもに視力低下などの障害が出ることもある。
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