ゴーン逮捕は勇み足? 日産のクーデターに加担した東京地検特捜部の受難
西岡千史
2018.11.21 18:51dot.
“異変”があったのは、今年の初夏だった。
日産自動車(横浜市)は5月18日、「役員人事について」と題したプレスリリースを発表した。その内容は、最高財務責任者(CFO)のジョセフ・ピーター氏が退任し、専務執行役員の軽部博氏が昇格するというものだった。ピーター氏は、兼任していた子会社の日産フィナンシャルサービスの会長も退任した。退社の理由は明らかにされていない。季節外れの人事に、「社内で何かあったのか」と関係者で話題になったという。
それから約半年。衝撃のニュースが日本中を駆け巡った。日産会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)が、有価証券報告書に自らの報酬を過小に報告したとして、金融商品取引法の容疑で11月19日に逮捕された。ゴーン容疑者は、日産の子会社を通じて会社の資金を私的に流用し、その額は約50億円にのぼるとされる。
冒頭のピーター氏の辞任とゴーン容疑者の逮捕が、どう関係しているかは不明だ。だが、日産社内では、ピーター氏の辞任の前後から疑惑の社内調査が始まっていた。関係者はこう話す。
「日産の中では、ごく限られた人物が内部告発を把握し、ひそかに調査をはじめた。そこで重大な違法行為がわかった」
金融商品取引法の最高刑は懲役10年。しかし、この逮捕には疑問がのこる。まず、有価証券報告書の虚偽記載はゴーン容疑者の単独で実行できるとは思えない。一緒に逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者(62)も日産の代表取締役。有価証券報告書の改ざんには、外国人である2人だけでなく、総務部や財務部など他の社員の協力があったと考えるのが自然だ。
ところが、逮捕されたのは2人だけ。それでも日産の西川広人社長は19日夜の緊急会見で、不正に関する内部調査はすでに終了したと説明した。そのうえで、調査結果を「検察当局のみなさんとシェア」したという。前出の関係者はこう話す。
「検察への情報提供のなかで、日産と東京地検特捜部は司法取引をした」
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2018/11/23(金) 16:57:41.83
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