このように、移民が劇的に増加することが予想されるが、「仕方がない」といったムードもある。
日本の労働力不足は深刻だ。経済界は労働力確保のために移民受け入れを要請し続けてきた。
しかし、健全な資本主義の発展という理屈から言えば、人手不足に対する企業側の対応は以下のどちらか、あるいは両方になる。
●報酬(給料)を上げて人材確保に努める。
●設備投資などにより、生産性を高める。
実際、1950?60年代の日本は、人手不足を移民に頼らず、給料の引き上げと設備投資による生産性向上で対応し、高度経済成長を果たした。
ところがデフレマインドにどっぷりと浸かった企業家たちは、上記の方向に向かわなかった。
「(人手不足の)補強のためには移民しかない」と、経団連の米倉弘昌会長(当時)は、早くも2010年11月8日の定例会見で語った。
経済界のトップがこの有様だ。彼らの本音は、「賃金を上げてまで日本人は使いたくないし、設備投資ももったいないから、移民を受け入れようよ」というものだ。
移民は経済にどんな影響を及ぼすのだろうか。
まず、移民を入れると、短期的には企業にとって安価な労働力が補填されるため、利益を下げずに、かつ投資も行わずに売上を維持もしくは伸ばすことができる。
これは短期的には経済的なメリットとなる。
ところが、移民を受け入れれば当然、労働市場における競争原理が働き、賃金の下降圧力が加わる。
その結果、企業が儲けているわりには賃金が上がらず(もしくは低下し)、日本人労働者は豊かにならない。
したがって、内需が拡大せず、巡り巡って企業の業績に悪影響をもたらすのだ。
「デイリー新潮」や「日刊ゲンダイ」が報じた一橋大学経済研究所所長の小塩隆士教授の試算がある。
これは1990年5月に、同教授が経済企画庁(当時)に編集協力していた広報誌『ESP : economy, society, policy 6月(297)』に寄稿した『外国人労働者問題の理論分析』という論文に記載されていた。
そこでは、外国人単純労働者を100万人受け入れると賃金が24.24%下がるという衝撃的な数値が出されている。
このシミュレーションに対し、デイリー新潮では経済アナリストの森永卓郎氏が次のようにコメントしている。
“雇用する側にはメリットですが、働く側には大きなデメリット。特に下がるのは、パート、アルバイトの賃金です。”(デイリー新潮:2018/10/25)
次に、行政コストの増大が国民にのしかかってくる。移民は収入が少ないため税負担も小さくなるが、日本語の教育などのコストは増加する。
それを負担するのは国民の税金だ。
同時に、社会保障コストも増加する。
移民が長期滞在しやすくなることで、年金を支給する必要も生じるだろうからだ。
また、どこかの段階で労働力がだぶつくようになれば、当然移民は失業する。
そうなると、やはり社会保障にぶら下がることになる。これもまた、国民が負担しなければならない。
現在は、人手不足が叫ばれており、実際に一部の業界では賃金のアップが行われ始めている。
ところが、実質賃金はほとんど上がっていない。その理由は、まだまだ高齢労働者が多いことと、短期移民が増えているためだ。
短期移民とは、外国人留学生や技能実習生という名の外国人労働者だ。
とはいえ、まもなく高齢労働者は一気に減り始める。そうなれば、市場原理に従って、賃金に上昇圧力が加わるチャンスとなる。
福利厚生などの雇用環境も改善されていくであろう。同時に、賃金アップや雇用環境を改善しないブラック企業は、人手不足で倒産し、淘汰される。
そして、経済界を中心とする移民受け入れ賛成派が完全に忘れてしまっているのが、外国人が人間であることだ。
賛成派は外国人を「労働力」としか見ていない。
だから、簡単に労働力の不足分を補えばいいと考えている。しかし、移民は機械や道具ではない。
いったん受け入れたら、仕事がなくなって不要になったからといって簡単に追い返すことはできないのだ。
法務省の発表によれば、2013年からの5年間で延べ2万6000人の外国人実習生が失踪しており、その数は年々増加の一途を辿る。
失踪の主な原因は「低賃金」である。また、不法残留者数は、6万6498人に上り、こちらも前年同期比1.9%で、増加が留まる気配はない。
※一部引用しました。全文はソースでどうぞ
https://wezz-y.com/archives/61284
★1:2018/11/25(日) 21:48:44.37
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