ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏は「電話は時間泥棒だ」と公言してはばからない。
「電話は相手の時間を大幅に奪うツールで、あなたの時間をも無駄にしている。だから僕は電話が大嫌いだ」と、
著書(『99%の会社はいらない』/KKベストセラーズ)の中でも書いていた。
「予定が埋まっていて出られないことが多いが、かけ直すと今度は相手が出ない」といった無駄が大嫌いだそうだ。
こうした理由もあり、いまや連絡ツールは「電話よりもメールやLINE」の人も多いだろう。
それでも、一般的にはまだまだ電話を使う場面はある。先日のはてな匿名ダイアリーには、
「電話する前に一言連絡するのって常識じゃないの?」とのエントリーがあり注目を集めた。
「いきなり電話をかけるのが当たり前の世代って何歳より上?」
投稿者は19歳で、ある世代より上の人たちが「電話する前に一言連絡を入れるのが理解できない」ことに驚いている。
電話は相手の時間を一方的に奪うため、電話をしていいか許可を取るのが常識だと思っていたそうだ。
周りの同世代は皆そういう認識のため、
「いきなり電話をかけるのが当たり前の世代って何歳より上?今後、社会に出た時のためにある年代より上の人の価値観を知っておきたい」
と問いかけていた。
投稿者は年齢を気にしているようだが、むしろプライベートか仕事か、あるいは「緊急性の有無」で決まるのではないだろうか。
ブックマークは700以上つき、こんなコメントが賛同を集めている。
「それ所詮は友達同士の、特に急ぎでもない電話しかしないからだろう。メールだかLINEだかする暇があったら
さっさと電話して手っ取り早く話せや、という世界が世の中には存在するのだよ」
中には、 「誰もが熱心にテキストメッセージを確認してると思うなよ」といった声もある。確かに、世の中に普及して長いのは電話のほうだし、
「今ダメなら出なければいい、仕事ならさっさと話して終わりたい」人は40代あたりから多くなるだろう。
「“URLはメールで教えて”と言っても電話してくる。電話どんだけ好きやねん」
一方で、投稿者の「常識」に賛同する声も少なくない。「分かるなあ」とした20代中盤は、
「いきなり電話のベル鳴らすのは本当に心臓が消し飛ぶので緊急時でない限り避けてほしい。情報量が少ないならチャットで、
圧縮するために音声ならそれは会議なのでセッティングして」
と訴えている。
また、「年代が上の人ほど、いきなり電話してくる。口約束になるのでメールでといっても、“URLはメールで教えて”と言っても電話してくる。
電話どんだけ好きやねん」と苦言を呈する人も。
世代の意識差とばかりも言えず、「アラ還だけど、確かに仕事でどうしても電話が要る時はチャットで今大丈夫か聞くな」とコメントする人も。
「プライベートでもメールなどで聞く」というのはアラフィフ筆者も同様で、ツールに慣れているか否かの問題は大きい。
「相手の好みで使い分けましょう」という意見も
精神科医、樺沢紫苑氏のビジネス書をひも解くと、「電話は早くて確実、口調でニュアンスを伝えられる、情に訴えたいときは
電話のほうが有効」などとメリットを挙げる一方で、「相手の仕事に割って入る、記録が残らない」などのデメリットも指摘している。
(参照:「学びを結果に変えるアウトプット大全」サンクチュアリ出版)
どちらがいいか迷ったときは、「相手が『電話』と『メールやメッセージ』のどちらが好きかを考えましょう」としていた。
ちなみに現在50代の著者ご本人は「電話が大の苦手なので、緊急の用件以外では電話をかけないで下さい」だそう。
「電話前の一言」について言及はなかった。
確かに連絡手段が無数にある今、誰に対しても「これが常識」と決めつけて押し通すことは難しそうだ。
少し面倒ではあるが、相手の様子を見ながら臨機応変に考えていくことがベストなのだろう。