自動車運転死傷処罰法は危険運転の要件を「重大な危険を生じさせる速度で運転する行為」としている。判決は、被告によるあおり運転などの妨害が危険運転に該当するとしつつ、停車は「一般的に危険を生じさせないのは明らか」で、「文言上、運転に含まれると読むのも無理がある」と述べ、「高速道路での停車は危険運転にあたる」という検察側の主張を退けた。
そのうえで、石橋被告がパーキングエリアで駐車方法を注意されたことに腹を立て、「ワゴン車を停車させて文句を言おう」と、妨害を始めたと認定。その後の停車と夫に対する暴行も一貫した意思で行われているため、「妨害と密接に関連する行為」と判断した。
さらに、現場が高速道路の追い越し車線で交通量もあり、夜間でもあったことから、「追突事故の危険性は極めて高かった」と指摘。「妨害により生じた事故の危険性が現実化した」として、危険運転致死傷罪が成立すると結論づけた。弁護側は「時速20〜30キロは必要。停車後に発生した事故には適用できない」と無罪を主張していた。
判決によると、石橋被告は昨年6月5日夜、萩山嘉久さん(当時45)=静岡市清水区=、妻友香さん(当時39)ら一家4人が乗るワゴン車の前に割り込み、減速して接近させる妨害を4度繰り返した末、追い越し車線で停車させて嘉久さんに暴行し、追突事故を引き起こした。
判決は、石橋被告が山口県で妨害運転により計3台の車を停車させ、車体を蹴ったり運転者を降車させようとしたりしたとして、器物損壊罪と強要未遂罪の成立も認めた。(飯塚直人、伊藤和也)
朝日新聞 2018年12月14日20時50分
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2018/12/15(土) 11:15:44.42
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