16日夜、札幌市豊平区で爆発が起き42人がけがをした火事で、全焼した建物に入る不動産会社の関係者が、「室内で除菌消臭用のスプレーを大量にまいた」と話していることが、警察への取材で分かりました。警察は、室内に充満したスプレーの成分に引火して爆発した可能性があるとみて調べています。
16日午後8時半ごろ、札幌市豊平区平岸で爆発があり、居酒屋や不動産会社の事務所などが入る2階建ての建物が全焼しました。
現場周辺では、建物の破片などが広い範囲に飛び散り、近くのマンションなどでは、ガラス窓が割れる被害が出ました。
この火事で、居酒屋の客や不動産会社の関係者など42人がけがをし、このうち、不動産会社の33歳の男性従業員が顔にやけどをする重傷を負いました。
警察と消防は、午前11時前から現場の状況を詳しく調べています。
警察によりますと、不動産会社の関係者は「爆発の前、廃棄処分する除菌消臭用のスプレーを室内で大量にまいた」と話しているということです。
不動産会社の事務所は跡形もないほど壊れていて、警察は、室内に充満したスプレーの成分に湯沸かし器の火が引火して爆発した可能性があるとみて調べています。
消防庁が原因調査に職員派遣
16日夜、札幌市で起きた爆発について、総務省消防庁は原因調査のため、消防研究センターの職員など合わせて7人を現地に派遣することを決めました。
17日午後、札幌市に到着する予定だということで、現地で爆発が起きた状況などを詳しく調べることにしています。
被害 少なくとも20棟の建物 26台の車両に
今回の爆発は、居酒屋や不動産会社の事務所などが入る2階建ての建物で起きたとみられていますが、札幌市消防局が調べたところ、この爆発で20棟の建物と、26台の車両に被害が及んでいることがわかりました。
また、NHKが調べたところ、最も離れた場所では、現場からおよそ160メートル先の4階建てアパートでも3階の廊下の窓が窓枠ごと落下して、1階の駐車場に止めてあった車の後部ガラスに当たる被害が起きていました。
このアパートに住むオーナーの男性は「9月の地震のときくらい揺れた気がしました。こんなに離れていて窓が外れるとは思いませんでした」と話していました。
また被害は周辺に止めてあった車にも及んでいて、このうち現場からおよそ50メートル離れた先に駐車していた車は窓ガラスが粉々に割れ、車体の一部もへこんでいました。
車の所有者の男性は「まさかここまで被害が及ぶとは思っていなかった。割れたガラスが車内に散らばっていて、もし車の中にいたら危なかった」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181217/k10011749811000.html