【AFP=時事】日本人に生まれても、外国籍を取得すれば日本国籍を失うとする日本の国籍法の規定は憲法違反だとして、海外に住む日本人らが日本政府を相手取って訴えを起こしている。二重国籍になった時点でやむを得ず日本国籍を離脱した日本人は、100万人に上るとも推計される。原告らは、国籍法の規定は「時代遅れ」だとして、日本国籍保持の確認や制度の改正を求めている。
白石由貴(Yuki Shiraishi)さん(34)は東京の空港の入国審査場を通過した時、情けなさに打ちひしがれたという。両親が日本人用のレーンを素早く通り抜けていった一方で、白石さん自身はスイスのパスポート(旅券)を目立たないようにしながら、外国人の列に並んでいたのだ。
海外で生活する日本人には、白石さんのように、二重国籍になったために日本国籍を放棄することを余儀なくされた人が大勢いる。日本は、世界で50か国ほどにとどまる、二重国籍を認めていない国の一つだ。
この問題が改めて注目されるきっかけになったのは、今年9月、女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)選手が全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)で優勝し、日本勢初の四大大会制覇という快挙を達成したことだ。21歳の大坂選手は、日本人の母とハイチ人の父の元に日本で生まれ、米国で育った。
大坂選手は現在、日本と米国の二重国籍を持っている。日本政府が特例として黙認しない限り、どちらの国籍を選ぶかを22歳の誕生日までに決定しなくてはならない。
白石さんは、制度の変更を求めて闘っている。時代に合わなくなっていると一部の専門家からも批判される二重国籍禁止規定の見直しを求めて、法務省を相手取って仲間たちとともに訴訟を起こしたのだ。
■「理由なく拒否された」
白石さんは国連(UN)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に務める両親の元にスイスで生まれ、スイスで育った。16歳になる前、行政上の手続きが簡単になるということで、両親の勧めに従ってスイス国籍を取得した。この決断がどういう意味を持っていたのかを白石さんが知ることになったのは、6年後、日本に来た時のことだった。
弁護士の父親から、日本のパスポートを返却するように言われたのだ。「父にとって、私が日本の法律に違反して、2つの国のパスポートを所持した状態でこそこそ生活するなどというのは、論外だったのです」
白石さんはスイス総領事館を訪れ、自分の国から放り出されたような悲しい経験を説明した。「私は何の理由もなく拒否されている。そう気づきました。生まれた時には日本のパスポートがあり、両親が日本人で、まだ日本と固い絆で結ばれているというのに、私は自分の国と切り離されてしまったのです」
一番つらかったのは、公式な手続きのために、自身の名前の漢字表記がアルファベットに変わってしまったことだったという。「事務的なことにすぎないと思い込もうとしたんですが、やっぱり傷つきました」と白石さん。
白石さんは「私が同意していないのに国籍を取り上げられた」と語り、国籍法は「ばかげている」と憤る。「私は日本人であり、スイス人です。子供が片方の親だけでなく、両方の親から離れようとしないのと同じことです」と訴える。
別の原告で、スイスのパスポートを選んだ後、日本国籍を失うことになった野川等(Hitoshi Nogawa)さん(75)も、国籍法は時代遅れだと厳しく批判する。「日本は約250年にわたって鎖国状態にあった。政治家たちは、日本人が海外で働くようになるとは想像できなかったのだろう」
国籍法では、外国籍を持つ日本国民で規定の期限内に日本国籍の選択をしない人に対して、法相が書面で国籍の選択を催告できると定めている。しかし、実際にこのような催促がされたことは一度もない。
この点が国籍法をますます訳の分からないものにしていると指摘するのは弁護団の冨増四季(Shiki Tomimasu)弁護士。「すべては本人の申告にかかっている。本人が二重国籍を持っていると認めない限り、政府はそのことに決して気づかない」
日本政府は、1985〜2016年に90万人の二重国籍保持者がいたことを把握していると説明している。ただ、実際の人数はこれより少ないか多い可能性がある。
アジアでは中国や韓国も二重国籍を認めていない。
AFPBB News 2018年12月24日 14時26分
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15785322/
2018/12/24(月) 22:39:10.08
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