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ロビーで電話をしていただけで白人警備員に通報された黒人男性
アメリカでの黒人人種差別は後を絶たないが、今回もオレゴン州で人種差別とみられる出来事が起こった。被害を受けた男性はその出来事をソーシャルメディアに投稿し「黒人の私が受けた差別は、私だけにというものではなく、初めて起こったことでもない。そして残念ながらこうした黒人への人種差別は終わらない」と根深い黒人差別への悲しみを綴り、「しかし私はこのような不公平には屈しない」と世間に訴えた。『OregonLive.com』『New York Post』などが伝えている。
ワシントン州ケントに住むジャーマイン・マッセイさん(34歳)は12月22日の夜、オレゴン州ポートランドのモダ・センターで開催された米ラッパーのトラヴィス・スコットのコンサートに出向き、宿泊予定のヒルトン系列ホテル「DoubleTree(ダブルツリー)」へ戻ってきた。
その時、携帯電話に母親からの着信があることに気付いたジャーマインさんは「こんな夜遅くに母親からの電話なんて、何か良からぬことが起こったのでは」と思い、部屋に戻る前にロビーで電話を取った。そしてそのままロビーのソファーに腰掛けて母親と話していたところに、ホテルの白人警備員が近づいて来た。
その警備員は、ジャーマインさんの通話を遮り「このホテルに宿泊しているのか」と質問してきた。警備員に「部屋の番号は」と聞かれたジャーマインさんは、通話中だったこともあり咄嗟には思い出せず「覚えていない。話し中だからもういいですか」と伝えた。すると警備員は、警察に通報の電話をし始めたのだ。
ジャーマインさんからすると「なんの理由もなく」事態が一気にエスカレートし、警備員が警察へ電話している姿を見てすぐに電話でその様子を撮影し始めた。白人の警備員は、その後ジャーマインさんがホテルの部屋のカードキーと料金を支払ったレシートを見せても、彼が他の客に対して安全上の脅威となると決め込み「質問にも応じなかった」として不法侵入者と決めつけた。そこへホテルのマネージャーが来てジャーマインさんは状況を説明するも、ホテル側は立ち去ってほしいような態度を見せ、ジャーマインさんがマネージャーと警備員の前で「私はこのホテルの宿泊客ですよ」と言っても、警備員は「今からはもう客ではない」と言葉を投げつけた。やがて到着したポートランド警察の警官にジャーマインさんは事情を説明したが、警官はまるで聞く耳を持たず「部屋にある荷物を持ってホテルを出ていけ。さもなければ逮捕もあり得る」とジャーマインさんを脅して命じた。
れっきとした宿泊客であるにもかかわらず、理由もなく立ち去りを強制され、ジャーマインさんは宿泊代の返金も叶わず警官にエスコートされホテルを出た。ホテルのマネージャーと警官は、「ホテルの安全管理をしている警備員が立ち去るよう指示すれば、その指示に従わなければならない」とジャーマインさんに伝え、他のホテルを探すよう指示した。
真夜中近くになっていたが、空港近くのシェラトンホテルへ宿泊することができたジャーマインさんは、自身のInstagramにこの出来事を投稿した。
「Earl(アール)と名乗った白人警備員は、ロビーにいた他の白人客らには何も質問していませんでした。私がスニーカーにジーンズ、フード付きトレーナーというカジュアルな格好から、ホテルに宿泊する余裕などない人物と見られ、正当な宿泊客とみなさずに質問をしたのでしょう。ですがこんな対応は間違っています。人種差別をするなんてホテルで働く者としてプロ意識に欠けるし、許されるべきことではありません。もし私が違う態度を取っていれば、間違いなく刑務所に入れられたでしょう。これが黒人に対する現実なのです。」
ジャーマインさんのこの投稿はたちまち拡散し、ホテル側の対応について多数の批判の声が寄せられた。これを受けたホテル総支配人ポール・ペラルタさんは「従業員とお客様の間に、何らかの誤解があったものとみており、このような事態となったことはお詫びします。ですが、これは人種差別ではありません」と主張し、「警備員は問題があれば警察に知らせる権利を持っており、問題がなければそうはしなかったでしょう」と反論した。また、警察側も「ホテルに到着した際、客は大声で怒っていた」と述べているが、ジャーマインさんが自ら撮影した動画を見る限り、ジャーマインさんは警備員にも警官にも怒鳴っている様子はない。
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