井山棋聖の出身地である同市で行われた「井山杯新春囲碁フェスティバル」で、昨年大会小学部の優勝者として菫さんが井山棋聖に挑んだ。菫さんは、先手のみが与えられるわずかなハンディで対局に臨み、序盤は互角以上の局勢だったが「近い将来、やられる可能性が高いので今日は頑張ろうと思っていた」と話した井山棋聖が終盤で意地を見せ、井山棋聖優勢のまま、制限時間切れの「打ち掛け」で引き分けとなった。
昨年も同大会で菫さんと対局している井山棋聖は「(昨年と)比べものにならないくらい強くなっていた」と成長に驚き「ほんと恐ろしい子だなと思いました」。対局内容については「途中までは、はっきり押されて非常に苦しかった」と感想を話した。
対局中は背筋をピンと伸ばし、鋭い視線を碁盤に向けていた菫さんは対局後、終盤の劣勢に少し悔しそうな表情だった。
父の仲邑信也九段や井山棋聖らと会見に出席した菫さんは、勉強になった様子で「(井山棋聖と)打ててうれしかったです」と笑顔で対局を振り返った。
12歳でプロ入りし、史上初の囲碁七大タイトル独占を2度果たして18年に国民栄誉賞を受賞している井山棋聖は「今まで見たことが無い才能。自分の9歳の頃とは比べものにならないぐらい強い」と菫さんの才能に舌を巻いた。プロの先輩として「ご自身のペースで進んでいっていただければ、これからすごい棋士になっていかれることは間違いない。大きな舞台で戦えるように」とエールを送り「女流棋士という枠を超えて、男性に交じっても十分、天下を狙える才能だという風に感じました」と太鼓判を押した。
会場には、2人の対局を見ようと老若男女の囲碁ファンが大勢詰めかけた。報道関係は50社以上約100人が集まり、大きな注目が集まった。【奥田隼人】
1/6(日) 19:34配信 日刊スポーツ 井山棋聖「恐ろしい子」9歳菫さんの才能を大絶賛
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公開対局を行った仲邑菫さん(右)と井山裕太棋聖(撮影・奥田隼人)
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