(1)日韓基本条約を締結したものの、それでは全て解決されなかった。問題はまだ解決されず、続いている
(2)日本は、過去の歴史問題に関してもう少し謙虚な姿勢を示すべきだ
(3)日本の政治家が、この問題を「政治争点化」していることは賢明な態度ではない
(4)政府は、司法府の判決を尊重しなければならない
以上4点について、それぞれ考察してみる。
まず(1)だが、日韓基本条約、請求権協定によって「全ての問題が解決した」というのが日韓政府の合意だ。つまり文大統領は、過去50年間にわたって日韓関係の“基礎”となってきた合意を覆そうとしているのであり、日本としてはこのような主張を断じて受け入れることはできない。日韓歴史問題の見直しを主張する文大統領らしいといえばそれまでだが、そのような姿勢では安定した日韓関係など望めない。
続いて(2)に関して、日本に「謙虚な姿勢」を求めるというのは「上から目線」の発言であり、友好国であるはずの日本に対し極めて失礼な発言だ。まるで、「韓国がいかなる身勝手なことを言おうと、日本側は謙虚に受け入れろ」というように聞こえる。
日本にも、「過去に韓国を植民地にしたのだから、何事にも我慢すべきだ」との意見はある。だが、客観的に見て、多くの韓国人の間でもそうした意識は薄れつつある。しかし、徴用工問題や慰安婦問題などをめぐる過去の合意を平気でほごにするのは、日本には何をしてもいいとさえ考えていると思いたくなる。それが、「謙虚な姿勢」を求めることにつながり、「何でも自分たちの言うことを聞け」という主張につながるのではないか。
そして(3)に関して、日本の政治家が「政治争点化」したと言うが、そもそも徴用工問題で“ちゃぶ台返し”をしたのは文大統領だ。日本の政治家は、ある意味やむを得ず、日本企業が不利益を被らないよう、韓国政府に「適切な措置」を求めているだけだ。日本側の反発が想定外に強かったため、こうした発言になったのだろう。
最後に(4)に関して、「政府は司法府の判決を尊重しなければならない」と言うが、そもそも司法府の判決をあおったのは文大統領自身だ。就任100日目の会見で、「個人の請求権は消滅していない」とこれまでの政権の見解を覆した上で、大法院(韓国の最高裁)の長官にあえて自分と見解の近い、最高裁の判事でもない地方裁判所の所長を任命しているからだ。
その端的な例が、韓国にある「日本が軍事大国化するのではないか」との妄想だ。
韓国は、日本との関係において、事実を認めないことがよくある。というのも、韓国はいまだにそんな妄想を持っているからだ。
振り返れば、日韓関係が最もよかったのは、「日本が民主主義国となった」と正当に評価した金大中政権時代だった。
だが、盧武鉉政権が「竹島は日本の韓国侵略の第一歩だった」との見解を示して以降、軍事大国化の妄想が復活してきたかのようだ。
昨年起きた、自衛隊旗の掲揚自粛要請問題は、海軍旗を連想させるからというのが理由だが、それは戦後の日本に対する正しい評価ではない。
日韓関係は、文政権が誕生して以降、さまざまな“挑発”により危機的な状況を迎えつつある。
●難しい問題を避ける大統領では 国民からの信頼を失う
そもそも文大統領は日韓関係には関心が低く、理解もない。
徴用工問題は李洛淵首相に対応を丸投げ、駆逐艦からのレーダー照射問題についても国防相に対応させているほどだ。
しかし、韓国にとって日韓関係が重要であることに理解がないとすれば、それ自体が大変な問題だ。
韓国にとって、日本の重要性は、中国などと比べて相対的に下がっているのは事実。経済にしても輸出の25%は中国向けだ。
しかし韓国経済は、日米に頭を押さえられる一方で、中国からは追い上げを受ける“サンドイッチ状態”。
そこから抜け出すためには、日本と協力していくほかないのだが、日本に関心がないというのは驚きだ。
思えば、筆者が大使として、2012年に大統領になる前の文氏と面談した際、日韓関係の重要性を詳しく説明したのに対し、質問もコメントも全くなく、日本は北朝鮮との関係をどうするのかと問われたことがあった。
大統領になってからも、日韓関係について全く学んでいないようだ。
(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)
※記事を一部引用しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190116-00190955-diamond-int&p=1
★1:2019/01/16(水) 12:12:06.86)
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1547608326/