「大変申し訳ないのですが、子どものインフルをもらってしまった疑いがあります。予防していたのですが……」
仕事熱心な日本社会の表れなのか、「ご迷惑をおかけした方、本当にすみません」「(インフルにかかって)かつてない自己嫌悪に陥っています」など、インフルエンザ発症者の謝罪や懺悔がSNS上で飛び交っている。
たしかに集団感染が起きると、会社の業務まで滞ってしまうのは事実。とはいえ「予防接種していてもかかる」とよく聞くインフルエンザ、予防接種を受けていないのはそんなにダメなの?発症したら、自己管理がなっていないと責められても仕方ないのか。
自己管理が甘いと、上司に責められるのが目に浮かぶが、違和感を訴える声も。
「予防接種してないやつは社会人として終わってるって上司が喚いてるんだけど、こんだけ流行してる以上お前ら明日は我が身かもしれないのによくそんだけ叩けるな」
インフルエンザ予防を率先できている職場の例として、秋葉原でクリニックを開業している鈴木さんは、とあるメイドカフェのケースを上げた。
「秋葉原のあるメイドカフェの店長は、◎日までにインフルエンザの予防接種を受けるようにと日程を指定。業務中に交代で従業員に受けさせていました」
クリニックには、メイド服姿のカフェ従業員が続々、予防接種を受けに来たという。業務時間内で、かつ仕事が回るように人員を配置した上で、予防接種の時間をとってもらえたら、さすがに多くの人が病院に行けそうだ。
スパルタやブラックな職場体質が、インフルエンザの蔓延を招く可能性は否定できない。
「100%かからない方法はありません。ウイルスはそこらじゅうにいるものですから」と、鈴木さんは完全な対策はないと指摘。
そのうえで「職場のインフルエンザの発症を、個人の責任だけに押し付けるのではなく、どれだけリスクを下げられるかをマネジメントする、経営課題として捉える必要があります。かかった個人を責めるのではなく、チームとしてどうしたら次は防げるかを考える。その方が建設的です」
もちろん、インフルエンザにかかって辛い症状を耐え、生活に一番支障をこうむるのは自分自身。自己管理が必要なのは言うまでもない。
ただ、インフルエンザが蔓延する職場は今一度、組織としてもやるべきことがないか、振り返ってみる価値はありそうだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190124-00010001-binsiderl-soci&p=3