柔道の部活動中に大外刈りで投げられ、頭を打って死亡した中学1年の女子生徒(当時13歳)の父親が、
全日本柔道連盟(東京)に損害賠償を求める裁判を起こし、福岡地裁(倉沢守春裁判長)で23日、第1回口頭弁論があった。
学校での柔道事故が相次ぐ中、父親は「同じような事故を繰り返さないように一石を投じたい」と語る。
訴えているのは福岡市博多区の大場重之さん(53)。同市立席田(むしろだ)中の1年生だった娘の彩(あや)さんは
2015年5月22日、大外刈りを受けて倒れ意識を失った。救急車で運ばれ緊急手術を受けたが、5日後に急性硬膜下血腫で死亡した。
「警察官になりたい」。小学6年のとき、将来の夢を語った彩さんに「それなら中学で武道をやったら?」と重之さんは勧めた。
親子の会話がきっかけで中学入学後に柔道を始めた彩さんは、初心者ながら「初段を取りたい」と熱心に練習に励んでいた。
そのさなかの突然の事故だった。
その後も各地で同様の柔道事故が相次いだ。16年5月には群馬県館林市で中学3年の男子生徒が、同8月には
栃木県大田原市の中学1年の男子生徒がいずれも大外刈りをかけられて頭を打ち、一時意識不明になった。
大外刈りは柔道の一般的な足技だが、技をかけられた側は両足が宙に浮くため、頭から落ちる恐れがあり、以前から危険性が指摘されていた。
「娘の事故が生かされていない」。いても立ってもいられなくなった重之さんは2年ほど前にブログを開設し、インターネット上で柔道の安全対策を求める発信もしてきた。
ブログには彩さんが使っていた柔道の帯やお気に入りのぬいぐるみの写真などを添え、自身の顔写真とともに実名も明かしている。
当事者の声として説得力を持たせたいからだ。ブログを見て同じ立場の遺族から連絡が入ることもある。
「せめて小中学生には大外刈りを禁止すべきだ」。ブログなどでそう訴えてきた重之さんは「現場の指導者ではなく、
安全対策やルールを決める立場の全柔連の責任を問いたい」として、昨年11月、全柔連に3000万円の損害賠償を求め提訴。
23日の第1回口頭弁論終了後には「これほど柔道事故が起きていることは異常だ。父親としてできることをしたい」と語った。
全柔連は訴えの棄却を求めて争う方針。「進行中の訴訟なのでコメントは差し控えたい」としている。
◇1983年以降、121人の子供が命落とす
日本スポーツ振興センターによると、柔道事故で中高生が死亡し見舞金が支払われたケースは2005年度以降で26件ある。
頭を打つ事故が目立ち、少なくとも6件は大外刈りによる事故だった。柔道事故に詳しい名古屋大の内田良准教授の調査では、
1983年度以降、121人の子供が柔道事故で命を落としている。
全柔連も事態を重く見ており「初心者には大外刈りの投げ込みを受けさせない」などと注意喚起する通知を繰り返し出してきた。
それでも重大事故がなくならない背景について、内田准教授は「全柔連の取り組みが末端の指導者に浸透していない」と指摘。
全国柔道事故被害者の会の倉田久子代表(58)も「指導者への教育を徹底してほしい」と訴える。
全柔連重大事故総合対策委員会の磯村元信委員長は「部活などでは試合に間に合わせるため初心者でも投げられる練習をする傾向があったが、
受け身ができない初心者を投げるのはいけない。粘り強く指導者に啓発していく」と話している。
彩さんの思い出を語る大場重之さん。生前のままの勉強机には本人の写真や死後に中学校から贈られた卒業証書などが飾られている=福岡市博多区の大場さん方で
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1が建った時刻:2019/01/24(木) 09:33:23.26