この日のイベントは各競技のアナリストが競技の枠を超えて意見交換し、スポーツ界の発展に寄与しようというもの。スポーツ界の開かれた革新をという若いアナリストたちの取り組みに「スポーツ界の未来に希望がもてる」と話した川淵氏だが、テーマに選んだのは「今、最も怒っている高野連のこと」だった。
この問題は昨年12月、高知商の引退した3年生部員が市内で行われた同校のダンス発表会に参加、ユニホーム姿で踊ったのが発端だった。野球部員たちは甲子園での応援に対する感謝の思いだったが、500円の入場料だったことで日本高野連が「商業的利用にあたる」と問題視していた。
川淵氏は今月15日、講演のために滞在していた高知市で一連の騒動を聞いた。「最初は野球部員がダンスなんて素晴らしいと思っていたら、高野連が問題にしているという。こんなばかげた話があるか」と激怒して、すぐにツイートした。その後、全国的なニュースとなって怒りも増幅。この日は、1000人近い出席者に向けてぶちまけた。
「500円とって、それが商業利用なのか」と最初はチクリ。甲子園の入場料は「新聞社のことで知りませんというんだ」と険しい表情で言った。怒りの矛先は囲んだ報道陣にも。「もっとマスコミは声高に叫ばないと」と言い「誰が考えてもおかしいのに、高校野球は不可侵なのか」と言葉を荒らげた。
20年東京五輪以降に向けて、各競技団体の独立性、公平性、自立性などが問われる時期。野球も例外ではない。だからこそ「学校の先生が悪いというわけではないが、もっと外部の人の知識や経験を取り入れてほしい」。高野連などアマチュア野球界の体質を「旧態依然」と言い放ち「頭の中身は明治(時代)から変わっていない」と容赦なくぶった切った。
高知商の処分は2月1日に開かれる日本学生野球協会審査室会議で決定するが「内容によっては、もう黙っていない」と同氏。「スポーツ界は今、大きく変わろうとしている。野球界も今が基本的な構造から変わるチャンス。野球界が今のままでいいと思っているなら、それが1番の問題」と怒りは収まらなかった。
1/26(土) 14:39配信 日刊スポーツ
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