同校の教諭たちと保護者による制服モデルチェンジ検討委員会(委員長=永井孝寛PTA会長、教員12人、保護者7人)が協議して決定した。性的少数者(LGBT)への対応という目的もあるが、そもそも「男子はズボン、女子はスカートという固定観念を捨てる」という発想だ。
2、3年生は卒業まで従来の制服のままで通す。
■小学生にアンケート
東中は2021年4月に隣接する東小学校と統合し小中一貫校になる。それにふさわしく制服も新しくしようと、昨年1月に制服モデルチェンジ検討委員会を立ち上げた。序盤の協議の結果、学生服はやめてブレザーにする、女子はズボンも選べるようにする、男子もスカートが可能とする、などを決定した。
在校生と教職員たちのほか、今年と来年に同校に1年生として入学してくる東小と喜沢小の5、6年生を対象にアンケートを実施。調査結果を参考にブレザーを基本とし、色は黒を基調にすることなどを決めた。
18年3月には美術部の生徒たちが描いたイラストを参考に制服メーカー6社がデザインを考案。同年5月に6社のコンペを実施し、新制服が決まった。
■固定観念捨てよう
最初に「女子もズボン、男子もスカートOKでいいのでは」と提案したのは18年1月に検討委員会が発足した際に同校教頭だった高田ひろみさん(現在は喜沢中学校長)だった。
「第1回委員会で私から提案した。今どき女だからスカート、男だからズボンという固定観念は捨てて、生徒が自由に選べるようにしたらどうか、固定観念にとらわれないで考えてほしい、と提案した。PTAの役員さんたちは『そうだ』と賛成だった」と高田さんは振り返る。
高田さんは「多様性を認めることが大切だと思う。私は男性がスカートでもいい、と思っています」と話した。
■自由に
現校長の小暮孝明校長(53)と、長野真吾教頭(47)も高田さんを支持する。「スラックスは女子用のパターンだが、女子が男子のパターンがいいと言えば、それもOK。その子がどういう服装をしたいのか、その心に寄り添っていこうというのが、われわれ学校側の姿勢です」と小暮校長。
長野教頭も「トランスジェンダーなどLGBTのためと言うだけではなく、活発に活動できるようにということ。型にはまるのは良くないですから」と話している。
写真撮影のため、現在の2年生に新制服を着てもらった、吹奏楽部でトランペットを吹く土居芹菜さん(14)は「ズボンは動きやすいのでいいと思う」。
剣道部初段の佐藤心乃(ここの)さん(14)は「ズボンの方が自分らしくいられる感じ。でも、こんなにかわいい制服なのに、2年生の私たちは着られなくて残念」と話した。