・穴は縦2m弱、幅1mほどのもので、落下地点には破片が散乱していたとのこと
・市場関係者は「人にぶつかったら大事故ですから、怖かった」などと話した
昨年10月に開場した東京都の豊洲市場。7日には、地下水から環境基準の最大130倍超の有害物質ベンゼンが検出されたことが発覚。不安の種は尽きないが、また新たな問題が発生した。ナント、建物内の天井が崩落してドデカイ穴がポッカリと開いたというのだ。
JOC会長を猛批判 小池知事に長男・竹田恒泰氏との“因縁”
■「ドーン」と大きな音が
天井が崩落するという重大事故が発生したのは7日夜から8日未明で、卸売場棟と仲卸売場棟を1階部分で結ぶ「連絡通路」だ。現場を目撃した市場関係者はこう言った。
「連絡通路は、ターレ(小型トラック)やフォークリフトが常に行き交うのでガチャガチャとうるさいんです。しかし、7日夜中は突然、『ドーン』とひときわ大きな音が響き渡ったので驚きました。何事かと見に行くと、天井に大穴が開いて鉄骨が露出していましたよ。穴の大きさは縦2メートル弱、幅は1メートルくらい。床には天井から落ちてバラバラになった破片が散乱していた。人にぶつかったら大事故ですから、怖かった」
日刊ゲンダイの調べで、この連絡通路の天井が崩落したのは7日夜の1回だけではないことが分かっている。ある買い出し人は、「開場直後にも連絡通路天井に大きな穴が開いていた」と打ち明けていたからだ。実際、都によると、7日夜を含めて、これまで計6回、連絡通路の天井が崩落していた。月1回以上のハイペースだから、働いている業者はおちおち仕事していられないだろう。
連絡通路の天井の高さは約3メートル。市場関係者の間では「フォークに高く積み上げた荷物が天井に当たったのか」との声が上がるが、詳しい原因は分からない。
そこで日刊ゲンダイが都に問い合わせると、「フォークリフトの荷物を積載する部分の『ツメ』を高く上げたまま走行し、それが天井に引っかかったとみられます」(豊洲市場管理課)と返答。さらに「原因が分かっている場合は、当事者に弁償してもらっている。これまでも、事故が起こるたびにフォークリフトの運用について、厳重に注意喚起している」(同管理課)と説明したのだが、まるで業者が悪いと言わんばかり。
■「都にも責任」
この都の対応に対し、「その言い分はおかしい」と言うのは建築エコノミストの森山高至氏だ。
「フォークのツメを下げたまま走行すると、人や障害物に衝突する危険があります。ですから、市場のみならず一般的な工事現場でも、荷物を積んでいないのであれば、ツメを高く上げた状態で走るのが常識。天井が高かった築地時代からフォークを使っている業者であれば、ツメを下げて走る危険性を意識しているでしょう。連絡通路を高く設計することができなかった都にも責任はあると思います」
「築地を守り、豊洲を生かす」――は、2017年の都議選直前に小池都知事が言ったスローガンだが、少なくとも今のところ豊洲を「生かす」ことはできていない。むしろ、すでに「瀕死」状態に近いと言っていい。いい加減、すべての責任をきちんと取らせるべきだ。
2019年2月10日 9時26分
日刊ゲンダイDIGITAL
http://news.livedoor.com/article/detail/16000701/
http://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/a/a/aa2be_28_1b12f0d8_726e4a0e.jpg