ドレイパー氏は、仮想通貨を使う犯罪者はブロックチェーンによって追跡されてしまうため、現金を使い続けるだろうと指摘。また、「私の銀行は絶えずハッキング攻撃を受けている」とし、銀行に保管されているマネーよりビットコインの方が安全と述べた。
仮想通貨の監視能力は国からも高く評価されている。
米麻薬取締局(DEA)の捜査官は「ブロックチェーンは、実際には私たちに個人を識別するための多くのツールをもたらしてくれる。私は彼ら(犯罪者)が仮想通貨を使い続けて欲しいと思っている」と述べたと報じられた。
ドレーパ氏は、「かなり」の仮想通貨を保有しているという。
■ずれる評価ポイント
興味深いのは、ドレイパー氏が犯罪者の監視方法という観点から現金よりビットコインを高く評価した点だろう。なぜなら最近、ドレイパー氏の評価軸とは対照的に、仮想通貨の匿名性を高く評価する動きが出てきているからだ。
イギリスの著名歴史家ニアール・ファーガソン氏は、ビットコインのデジタルゴールドとしての選択肢に注目し、将来「没収されるのが困難な流動的な資産」や「一種の保険」として機能するだろうと予想。「分散型台帳モデルで実験をしている理由は、中央によって監視されない何かを構築することだ」と述べ、仮想通貨がもたらすプライバシーの保護を高く評価した。
実際、市場もその点を高く評価しているようだ。
今月9日、ライトコイン財団が7日、プライバシー保護に特化するプロトコロル「MimbleWimble(ミンブルウィンブル)」を実現すると発表。ライトコイン(LTC)は約30%急騰した。
スカイプやテスラに初期の頃から投資をしていたことでも知られるドレイパー氏。彼にとっての仮想通貨の投資妙味は「仮想通貨の監視力」にあるようだ。同じ仮想通貨支持派の間でも評価軸にズレがある点は、今後注目すべきかもしれない。