地元紙によると、容疑者は2018年3月4日、スーパーのトイレで、見ず知らずの少女を強姦した。同紙は「恐怖におののく少女の顔をつかみ、彼女を個室に連れ込んだ上にズボンを脱ぐように命令した」と報じている。「個室から出たら56す」と容疑者から脅されながらも少女は逃げ出して両親のもとに走り、事件が発覚したということだ。
逮捕後、容疑者は、10歳の少女を襲ったことを認めただけでなく、2月8日にもスーパーマーケットのトイレで、別の少女を追いかけ、携帯電話のカメラで少女の排尿を撮影していたことも自白したという。
地元の裁判所は、容疑者が3歳からイギリスの社会福祉施設で育ち、精神的な問題に苦しんでいたことから、情状酌量で実刑判決を下さなかったようだ。容疑者は、子どもとの接触を禁止され、電子タグを付けられたとのことだ。
しかし少女の母親は、子供たちを襲っていない精神病患者が何百人もいることを考えると、裁判所の判決はおかしいと主張。「彼が問題を抱えているのか、彼の経歴が何であるかは気にしない。彼は小児性愛者であることが問題だ」と記者団に語ったという。また、少女の母親は、容疑者がまた街を歩くことができると知ったとき、「とても失望した」とも語った。少女は今もフラッシュバックに苦しみ続けているということだ。
これについてネットでは「トランスジェンダー云々の前にロリコンなのが問題」「心は女だと言い張る男が女子トイレに入ったら同じことが起きそう」「女が好きなら男のままでよかったんじゃ?」「LGBTに扮した普通のやつによる犯罪が出てくると思った」「何でも悪用するヤツは出てくるが子どもは守ってやれ」と批判が殺到した。
さらに、トランスジェンダーの定義についても論議があった。「性自認が女性で性的対象が女性のトランスジェンダーが普通にいるからな。ややこしい」「トランスジェンダーってどうやって証明するの? 自称でしょ」「LGBTの中でもTって特に定義が難しいんだね」「これでLGBTへの偏見が強まったら悲しい」「トランスジェンダーの全員がこんなことしないから」といった声が上がった。
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字)の中でも特に定義が難しいトランスジェンダー。
『大辞泉』(小学館)によると、トランスジェンダーとは「身体の性と心の性が一致しないが、外科的手術は望まない人」とある。日本の法律では、性同一性障害特例法は性別変更の審判ができる条件として、「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」などと規定。しかし、手術を受けずに戸籍を変更したいと望むLGBTからの訴訟やカムアウトで、職場からのハラスメントを受ける人もいるなど、さまざまな問題が横たわっているのが現状だ。
スコットランドの事件以外にも、イギリスでトランスジェンダーとして自分を女性だと主張し、女性用刑務所に収監されていた容疑者が収監中に他の女性受刑者2人に性暴行をはたらいた事件があった。この事件を受け2019年2月、イギリスの法務省はトランスジェンダーの容疑者収監方法の見直しを発表。アメリカでは、1月23日にトランスジェンダーの軍への入隊を禁止すると最高裁が一時的に認めた。
ダイバーシティ化が進む中、世界各国でトランスジェンダーをどのようにみなすべきかという難しい問題が顕在化してきているといえそうだ。