一気に引き込まれた。「野球の応援、すごく楽しいんだなって。イギリスでサッカーを応援するスタイルは、ちょっと怖いと思ってましたから(笑い)」。翌16年春の来日時に、甲子園、神宮で念願
の広島戦を初観戦。英国から見届けた25年ぶりのリーグ優勝に歓喜した。
カープのことを知るとともに、自身との“共通点”が多いことに気づかされた。自身が生まれた1991年に優勝してからは、暗黒時代
と称される低迷期にあえいだ。一方、ルイーズさんは幼少期から重い内臓疾患と闘ってきた。「カープも私も大変な時期があった。
だけど、どちらも今は強くなった。自分自身と重ね合わせます。カープを見ていると自分自身が元気になって、何でも乗り越えられる力
が湧いてきます。カープのみんなからパワーをもらうことが、私にとって最高の医療です」。昨年の開幕戦でマツダスタジアム初観戦。
遠征も含めて昨季は70試合ほど見て回った。
好きな選手は「もともとは丸さんでした」という。巨人へFA移籍したが「ガッカリしましたけど、怒ってないですよ」。いまだバッグに「ミニマル」
と呼んでいる丸の人形をぶら下げている。今は会沢翼捕手(30)と大瀬良大地投手(27)が“推しメン”だ。関係者を通してルイーズさんを知り、
前述のTシャツに全快を祈るメッセージを書き込んだ大瀬良は「カープと自分の人生を照らし合わせて頑張ろうと言ってもらえれば、僕たち選手
にとっても、もっともっと頑張ろうという力になる。双方でいいものを築いていけると思います」。英国淑女とのエールの交換で、より一層士気が
高まった。
現在ルイーズさんは、ワーキングホリデーを利用して、広島OBの長内孝氏がオーナーを務める広島市西区の居酒屋「カープ鳥おさない」で
アルバイトに励んでいる。「就労ビザを取って日本で働くのが夢。スペイン語も少しできるので、通訳としてカープ球団で働くことができれば最高
です」。英国から来たカープ女子が、4連覇へ、そして悲願の日本一へと鯉を後押しする。(記者コラム・田中 昌宏)
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