IS参加の19歳女性、バングラデシュも市民権ないと 英は市民権はく奪
2019年02月21日
バングラデシュ外務省は20日、イギリスからシリアへ渡航しイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に参加したシャミマ・ベガムさん(19)について、バングラデシュの市民権はなく、入国を認めることは「絶対にあり得ない」と発表した。
ベガムさんは2015年、15歳でISに参加するためにロンドンからシリアに渡航。今年2月にシリアの難民キャンプで発見され、イギリスに帰りたいと訴えている。
しかしイギリス政府は19日、ベガムさんにはバングラデシュ出身の母親を通じてバングラデシュの市民権があるとして、ベガムさんの市民権をはく奪した。
これに対しバングラデシュ外務省は、ベガムさんが「誤って」バングラデシュ国籍があるとされたことに「深い懸念」を表明した。ベガムさんはバングラデシュに二重国籍の申請をしておらず、バングラデシュを訪れたこともないという。
同外務省はその上で、バングラデシュはテロや過激派を「一切容認しない」と強調した。
「1つの市民権」
ベガムさんの母親はバングラデシュ出身とされており、BBCが取材した弁護士によると、同国の法律ではベガムさん自身にも自動的にバングラデシュの市民権が与えられる。
しかし20日にBBCの取材に応じたベガムさんは、自分は「1つの市民権」しか持っておらず、イギリス政府が自分と話さずに市民権をはく奪したのは間違っていると話した。
「私はバングラデシュ生まれではないし、バングラデシュに行ったこともないし、ベンガル語すらきちんと話せない。どうして私にバングラデシュの市民権があると言えるのか」
「私は若くて世間知らずだったから過ちを犯した。本当に大きな過ちを犯した。そのことをイギリスに分かってほしい」
ベガムさんの家族の代理人、タスニム・アクンジー弁護士は、英内務省の決定でベガムさんは無国籍になってしまうと述べ、「あらゆる法的手段」でこれを阻止する構えだと話した。
一方、英ITVニュースの取材でベガムさんは、英内務省の決断は「悲痛なもの」だと話した一方、夫を通じてオランダ市民権の取得を試してみるかもしれないと話した。
(リンク先に続きあり)
BBCの取材に応じたシャミマ・ベガムさんは、15歳でイギリスからシリアに渡航し、IS戦闘員の妻となった
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/F1EE/production/_105643916_begum_pa.jpg