2024年パリ五輪の追加種目候補から、野球・ソフトボールが落選したのは予想通り。それどころか、一部で期待されている28年ロサンゼルス五輪での復活も難しい。野球の本場・米国での開催なら需要があるだろうという単純な理由では片付けられない、本質的な問題があるからだ。
20年東京五輪での野球・ソフトボール復活は、日本の開催地特権による、あくまでも例外的なもの。国際オリンピック委員会(IOC)は総参加選手枠の問題を前面に、多くの選手数を必要とする野球・ソフトボールに難色を示す。だが実際は、IOCと米大リーグ機構(MLB)の根深い確執が背景にある。
MLBは終始一貫、「五輪はアマチュア選手の祭典だから、マイナーリーガーならともかく、プロ中のプロであるメジャーリーガーを派遣するわけにいかない」という基本的なスタンスを崩していない。
それどころか「プロの世界大会」として、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を旗揚げ。五輪と同じく4年に1度開催されるWBCは、東京五輪翌年の21年に第5回大会、パリ五輪の翌年の25年に第6回、ロス五輪の翌年の29年に第7回が開催される。
それだけになおのこと、WBCの存在価値を薄めるメジャーリーガーの五輪派遣を、MLBが許可するはずがない。
一方、IOCは1992年バルセロナ五輪にNBAのスーパースター軍団が参加し莫大な収益をあげた夢を忘れられないでいる。だが、五輪バブルはとうにはじけ、開催地探しにも四苦八苦しているのが実情だ。
28年のロサンゼルス五輪で野球を復活させるには、集客が期待できるMLBのスーパースターの参加が必要不可欠だが、どこまでいっても平行線で交わりそうにない。このままでは、五輪野球は来年の東京が見納めとなるしかない。(江尻良文)
2/25(月) 16:56配信
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