2019.1.3 20:03国際アジア
【シンガポール=吉村英輝】在フィリピン日本大使館は3日までに、フィリピン北部ルソン島中部のラグナ州サンペドロ市に設置された、慰安婦を象徴するとした「少女像」が、撤去されたことを確認した。また、同市の広報担当者は同日、カタキス市長が近く、像に関して声明を発表することを明らかにした。
像の除幕式は昨年12月28日に行われ、日本大使館が比政府に「遺憾」を表明していた。
現地英字紙インクワイアラー(電子版)によると、設置場所はキリスト教系の高齢者介護施設の入り口。像は、ソウルの日本大使館前などに設置された像と同じ形で、施設の女性は除幕式に参加したフィリピン人から「戦時中に虐待された19歳の韓国少女」と説明されたが、「それが一体何なのか、みな不思議に思っていた」という。
除幕式から2日後の先月30日、作業員が戻ってきて像の全てを撤去し、コンクリートの土台のみが残されたという。
フィリピン大統領府は先月31日、「少女像」の設置は「私有地に民間の費用で建てられたもので、憲法で保障された表現の自由にあたる」と指摘。華人団体などが2017年12月、首都マニラの遊歩道に慰安婦を象徴するとして設置し、その後撤去された「女性像」とは、性格が「違う」と容認姿勢を示していた。
ドゥテルテ大統領も、「女性像」の撤去については支持する一方、私有地に設置されるならば、日本への「侮辱」には当たらないとの考えを示していた。
ただ先月31日に発表された大統領府声明では「すでに議論された(慰安婦)問題を不当に政治問題化することは控えるべきだ」との立場を表明。「いずれにせよ、日本は補償を含め過去の行為について心から償っている」と言及している。
https://www.sankei.com/world/news/190103/wor1901030019-n1.html